「のらえもん」とは、「野良で働く人」という意味です。 この言葉の中に、自然のことを学んだり体験したりしながら、自然の仕組みの不思議さに気づいたり、驚いたり、感心したりできたらいいな、この自然がもっと 豊かになればいいな、そして人と自然が、みんな友達になれるといいな、という願いをこめています。 のらえもんの活動は、より本物の自然に触れながら、自然の仕組みに気付き、驚き・感心するなかで、自然を友だちと思う心情を深めようとしています。

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のらえもんアーカイブス

2020年度 カイコの飼育日記

2021年度 カイコの飼育日記

2022年度 カイコの飼育日記

2023年度 カイコの飼育日記

平成30年度(2018年度) カイコの飼育日記と繭から糸取り~足立区内

平成30年5月20日(日)
カイコが孵化しました。


平成30年5月22日(火)
孵化して2日経過しました。


平成30年5月26日(土)
カイコが脱皮をしました。


平成30年5月30日(水)
カイコが2度目の脱皮をしました。


平成30年6月4日(月)
カイコが3度目の脱皮をしました。


平成30年6月5日(火)
クワの葉の保存方法。


平成30年6月9日(土)
4度目最後の脱皮が始まりました。


平成30年6月12日(火)
半日でひとまわり大きくなります。


平成30年6月14日(木)
繭を作らせるための準備。


平成30年6月19日(火)
繭を作り始めました。


平成30年6月21日(木)
続々と繭を作り始めてます。


平成30年6月25日(日)
全てのカイコが繭作りをはじめました。


平成30年6月28日(木)
繭かきをしました。


平成30年7月1日(日)
繭の計測結果。


平成30年7月6日(金)
カイコが羽化しました。


平成30年7月9日(月)
待望の雌が羽化しました。


平成30年7月10日(火)
産卵しました。


平成30年7月12日(木)
「休眠卵」と「非休眠卵」。


平成30年7月13日(金)
カイコの一生は終りになりました。


平成30年7月19日(木)
「乾繭(かんけん)」になりました。


平成30年7月31日(火)
卵を冷蔵保存しました。


平成30年8月19日(日)
繭から糸をとりました。


令和元年7月4日(木)
冷蔵庫の中で保存しておいた卵を外に出しました。


令和元年7月7日(日)
卵は氷温から外気温へ。


令和元年7月10日(水)
卵の様子。


令和元年7月14日(日)
今年は冷夏?


令和元年7月21日(日)
卵が孵化しました。


令和元年7月23日(火)
飼育日記「完」。


令和元年8月31日(水)
追記。


平成30年5月20日(日)
カイコが孵化しました。

田植えの時に配布されたカイコの卵が孵化しました(5月20日朝撮影)。



今日はちょうど運動会で、観覧時に校庭でクワの樹を探しだすことが出来ました。今後、頂戴することを約束しました。



最初は小さなケースで様子を見ます。



クワの実はブドウみたいな味です。



平成30年5月22日(火)
孵化して2日経過しました。

孵化後2.5日1齢(5月22日夜撮影)。



孵化後2日1齢(5月22日朝撮影)。



飼育ケース内の湿度調節が必要です。ティッシュペーパーに水を含ませていましたが、乾燥気味で葉っぱが直ぐ萎れてしまいます。そこで、新聞紙を敷き、水を含ませ、その上にコピー用紙を敷き、糞や食べ残しはこのコピー用紙ごと捨ててしまう事にしました。



今日は足立区内の公園で小学校より状態の良いクワを見つけることが出来ました。



ここにもクワの実があり、それを食べた鳥の糞が近くにありました。。



バケツに水を張り、きれい洗います。



一枚ずつ切り分け、タオルで丁寧に拭きます。



4齢5齢に備えるためチャック付き保存袋に水を満たし冷凍保存。
その他は冷蔵庫に保管します。

追記 冷凍保存は解凍時に傷んでしまいダメでした。2018/06/05 クワの葉の保存方法 参照でペーパータオルで挟み冷蔵保存が良いです。



平成30年5月26日(土)
カイコが脱皮をしました。

今日は食欲旺盛です。ここで頭数を数えたところ、41頭います。卵40粒ほどの配布を受けたので孵化成功率は、ほぼ100%です。カイコは家畜の牛や馬と同じ様に「頭(とう)」と数えるそうです。
孵化後6日2齢(5月26日朝撮影)。



脱皮の前は動きがなくなり、まるで死んでしまったかのようでした。それを養蚕用語で「眠(みん)」と言うそうです。
カイコは脱皮の度に「齢(れい)」があがります。4回脱皮するので、5齢で繭を作り始めます。
孵化後5日1眠2齢(5月25日朝撮影)。



孵化後4日1齢(5月24日朝撮影)。



平成30年5月30日(水)
カイコが2度目の脱皮をしました。

9割ぐらいの頭数で脱皮が終わり、大きくなっているのがわかります。食欲旺盛、活発な動き。個体の成長差が2~3日ほどあるが今のところ混在させて飼育しています。その為か脱皮もこの2~3日でそれぞれ行われたようです。
孵化後10日3齢(5月30日朝撮影)。



成長の早いカイコは脱皮終了、他は「眠(みん)」か?あまり動いていません。
孵化後9日2眠3齢(5月29日朝撮影)。



大体の頭数は「眠(みん)」に入ったようだ、「眠(みん)」のときはあまり動かさない方がよいので、前日公園から採取した新鮮な葉を周りに置くだけにしました。
孵化後8日2齢2眠(5月28日朝撮影)。



クワの葉の鮮度が悪いせいか、「眠(みん)」に入ったか判らないが動きが悪い。
孵化後7日2齢(5月27日朝撮影)。



平成30年6月4日(月)
カイコが3度目の脱皮をしました。

脱皮が終了。食欲旺盛、活発な動き、食べる量も格段に増えました。
孵化後15日4齢(6月4日朝撮影)。



クワの葉を食べているのは5頭だけ、他はまだ「眠(みん)」。
孵化後14日3眠4齢(6月3日朝撮影)。



脱皮直後は皮膚が柔らかいのか、あまり動きがありません。
孵化後13日4齢3眠(6月2日朝撮影)。



8割の頭数で「眠(みん)」。
孵化後12.5日3眠(6月1日夜撮影)。



飼育ケースが窮屈になってきたので大きなケースに移しました。
養蚕用語でカイコを飼育するための場所を「蚕座(さんざ)」カイコの発育に伴って蚕座を広げることを「拡座(かくざ)」というそうです。養蚕用語を使って表現すると、
カイコの発育に伴い「蚕座(さんざ)」を「拡座(かくざ)」しました。



5割の頭数で「眠(みん)」。
孵化後12日3眠(6月1日朝撮影)。



前日と変わらず、食欲旺盛、活発な動き。
孵化後11日3齢(5月31日朝撮影)。



平成30年6月5日(火)
クワの葉の保存方法。

クワの葉をきらしてしまったので、冷凍保存していたものを与えましたが、鮮度が直ぐ落ちてしまいます。
孵化後16日4齢(6月5日朝撮影)。



早速、区内の公園にクワの葉を採りに行きました。



葉を一枚ずつ切り分け、水洗いしました。



水分をよく拭き取り、葉とペーパータオルを一枚ごと交互に重ね、チャック付き保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に保存です。
この方法で新鮮な状態のまま保存することができました。



平成30年6月9日(土)
4度目最後の脱皮が始まりました。

朝、抜殻は5つほどでしたが、その後1時間ほど観察している間に次々脱皮が始まりました。
脱皮の四枚連続写真(6月9日朝撮影)。



抜殻の様子(6月9日朝撮影)。
肢の形まできれいにわかります。



脱皮が済み、動きのあるものだけ移動した。
孵化後20日4眠5齢(6月9日朝撮影)。



「眠(みん)」中の凛々しい姿(6月8日朝撮影)。



抜殻が一つだけ、カイコに一切の動きがありません。ほとんど「眠」、糞の片付けはせず少量の葉っぱを周りに置くだけにしました。
孵化後19日4眠(6月8日朝撮影)。



食べ残しと糞(6月7日朝撮影)。
食べ残しは硬い葉脈をきれいに残します。糞は直径1.2mm 高さ2.5mm ほどの円柱状 硬い。



一部のカイコが動き悪い、明日から5齢に向けて「眠(みん)」か?他は食欲旺盛、日ごとに大きくなるのがわかります。
孵化後18日4齢4眠(6月7日朝撮影)。



4齢になった途端食べる量が増えた。朝・夕・寝る前の三度、葉っぱを与えました。カイコがクワの葉を食べる音が「パリパリ」と聞こえるようになりました。
孵化後17日4齢(6月6日朝撮影)。



平成30年6月12日(火)
半日でひとまわり大きくなります。

半日で太ったのがわかります。とにかくよく食べます。
「拡座」しました。幅35cmほどのプラスチックケース二つにそれぞれ20頭ずつ計40頭飼育しています。
孵化後23.5日5齢(6月12日夜撮影)。



体長が伸びているのがわかります。
孵化後23日5齢(6月12日朝撮影)。



食欲旺盛、山盛りの葉っぱを三度与えました。
孵化後22日5齢(6月11日朝撮影)。



ほぼ全ての頭数が5齢になりました。頭蓋が大きくなりました。
孵化後21日5齢(6月10日朝撮影)。



荒川河川敷に「ある」という情報を得て、行ってみました。
大きな樹が5本以上、クワの小さな茂みもあちらこちらにありました。(6月10日撮影)。
元桑畑付近の農道(埼玉県坂戸市)に生えている葉っぱの寄贈も受け、贅沢に与えられる準備が出来ました。これで安心です。



5齢ではこれまでの4倍5倍、カイコ生涯で食べる葉っぱの8割の量を食べるということで、クワの葉を調達に行きました。
ところが、小学校・公園共に剪定されて丸坊主ではありませんか!!(6月9日撮影)。
大ピンチです。



平成30年6月14日(木)
繭を作らせるための準備。

トイレットペーパーの芯を半分に切って、繭を作らせるための場所「蔟(まぶし)」作りをしました。カイコが「吐糸(とし)」し始めたら「蔟(まぶし)」に「上蔟(じょうぞく)」します。



もう直ぐ「熟蚕(じゅくさん)」です。
孵化後25.5日5齢(6月14日夜撮影)。



5齢の糞は直径2.5mm 高さ4.0mmほどの円柱状。4齢(6月7日)の時と比べると体積比で約7倍になっています。(6月14日朝撮影)。



孵化後25日5齢(6月14日朝撮影)。



平成30年6月19日(火)
繭を作り始めました。

「吐糸(とし)」した状態で動きのないカイコが一頭いました。そのカイコと成長の早そうな動きの鈍い4頭の計5頭を「上蔟(じょうぞく)」しましたが、そのうち
6月19日は1頭だけ「営繭(えいけん)」しました。
動きだけで判断せず、少し糸を吐き始めてから「上蔟(じょうぞく)」したほうが良いようです。
「営繭(えいけん)」前のカイコは高いところに登る習性があります。
孵化後30.5日5齢(6月19日夜撮影)。



前日に比べると食べる勢いが弱くなった気がします。
孵化後30日5齢(6月19日朝撮影)。



まだまだまだ、食べます。
孵化後29日5齢(6月18日朝撮影)。



まだまだ、食べます。
孵化後28日5齢(6月17日朝撮影)。



まだ、食べます。
孵化後27日5齢(6月16日朝撮影)。



平成30年6月21日(木)
続々と繭を作り始めてます。

順次「上蔟(じょうぞく)」させ、
6月20日は14頭が「営繭(えいけん)」しました。
日にちと時間を記入してます。



幼虫の期間をまとめると、
1齢虫 5/20~5/26  6日間
2齢虫 5/26~5/30  4日間
3齢虫 5/30~6/04  5日間
4齢虫 5/04~5/09  5日間
5齢虫 5/09~6/20 11日間
 
合計 「孵化」5/20~「営繭」6/20 31日間


繭作りの連続写真
繭を作り始めて一枚目から
4時間後、10時間後、22時間後、34時間後
50~60時間で「吐糸(とし)」が終了し、繭が完成します。



カイコは生涯で二度しか排尿しません。「営繭(えいけん)」前と「羽化(うか)」後です。
用意した「蔟(まぶし)」ではなく、箱の隅で繭作りをしてるカイコが排尿しました。お尻を突き出して排尿し、終わるとすぐ元に戻って繭作りに励んでいました。自身の領域は汚さないようにしていました。
繭を作り始めて一枚目から
12時間後排尿、排尿直後、14.5時間後、24時間後。



「熟蚕(じゅくさん)」の糞。(6月21日撮影)。



幼虫期最後の糞は緑色や褐色でした。続いて排尿がありました。
(6月21日撮影)。



残念ながら1頭死んでしまいました。(6月21日撮影)。
ほかに
3齢から4齢の脱皮に失敗して1頭が死んでしまい、
成長が異常に遅いカイコが1頭います。
これら3頭は、繭を作ることが出来ませんでした。



平成30年6月25日(日)
全てのカイコが繭作りをはじめました。

6月21日は6頭が
6月22日は13頭が
6月23日は4頭が「営繭(えいけん)」し、この5日間で計38頭全て繭作りをはじめました。(6月25日撮影)



箱の隅でも作っています。(6月25日撮影)



6月20日から作り始めた「営繭(えいけん)」後、60時間の繭の中を観察してみました。
まだまだ幼虫で「吐糸(とし)」が終わったばかりでした。(6月23日撮影)



平成30年6月28日(木)
繭かきをしました。

6月19,20日に「上蔟(じょうぞく)」「営繭(えいけん)」した繭を掻き取りました。完全に「蛹化(ようか)」するのを待ちましたので「営繭(えいけん)」後8・9日目の「収繭(しゅうけん)」、繭の収穫になります。
明日も、成長に合わせ順次行います。(6月28日撮影)



サイズを測って「毛羽取り(けばとり)」しました。(6月28日撮影)



繭15個の毛羽からとった真綿です。(6月28日撮影)



繭の中の蛹を観察しました。(6月28日撮影)


   

上段右から2番目は他のものより際立って大きく重さは2倍あります。「玉繭(たままゆ)」と言い2頭の蚕が共同で作った繭です。
「玉繭(たままゆ)」は製糸に不向きな為、つむぎ糸・真綿の原料になります。
この開いた繭と合わせて9頭分は、「羽化(うか)」を待ちます。
「羽化(うか)」時に排尿するのでキッチンペーパーを敷いたプラケースに入れました。(6月28日撮影)


   

これらは、「上繭(じょうけん)」として、冷凍してから天日干しで乾燥させます。冷凍した時に中の蛹は死んでしまいます。(6月23日撮影)



平成30年7月1日(日)
繭の計測結果。

繭の計測結果(玉繭を除く36粒の平均値)
長径 33.38mm
短径 19.54mm    
重さ 1.86g

平成30年7月6日(金)
カイコが羽化しました。

7月5・6日に2頭ずつ計4頭が羽化しました。その全てが雄です。排尿の跡もありました。
「収繭(しゅうけん)」、繭を収穫してから7・8日目でした。(7月5日撮影)



羽化したばかりで羽を乾かしているようです。(7月5日撮影)



触角が立派です。(7月6日撮影)



平成30年7月9日(月)
待望の雌が羽化しました。

本日、3頭羽化しました。その全てが雌です。雌が産まれると雄は激しく羽を動かして雌の方へ集ります。ペアになれなかった雄は、ケースから飛び出してしまうほどです。この様に成長が同じであれば、雌は必ず雄の後に羽化します。「収繭(しゅうけん)」、繭を収穫してから11日目でした。
交尾中。(7月9日撮影)



交尾が始まってから6時間経過後、フルーツゼリーの空カップに石コロを乗せて雌だけ隔離しました。産卵待ちです。(7月9日撮影)



羽化した後の抜け殻を観察しました。セミの抜け殻に似ています。(7月9日撮影)



平成30年7月10日(火)
産卵しました。

3頭とも黄色い稷(きび)の様な卵を産みました。(7月10日撮影)



3日間も産卵が続くことがあるので、産卵用紙を換えて観察しますが、お腹が小さくなっているのでこれで「おしまい」かも知れません。(7月10日撮影)



「上繭(じょうけん)」は今日から天日干しを始めます。冷凍庫から取り出した時の重さは29粒で56gです。
これが半分になるまで数日間続けます。(7月10日撮影)



平成30年7月12日(木)
「休眠卵」と「非休眠卵」。

卵の色が濃紫色に変わってきました。
このように2~3日で色が変わる卵は「休眠卵」で越冬し、春にならないと孵化しません。
これに対し「非休眠卵」は季節を問わず、産卵後10~14日で孵化し、孵化直前に色が変わります。
「休眠卵」「非休眠卵」どちらが産まれるかは、母体の成長過程が関係するといわれ、出てくるまで分かりません。
今回は全てが「休眠卵」でした。2週間ほど放っといて孵化しないことを確認した後、冷蔵庫で来年の春まで保存する予定です。
この「休眠卵」を冷蔵保存し、カイコの育成調整、つまり繭の出荷調整をしていた。ということを「のらえもん」は一昨年の富岡製糸場・荒船風穴の見学で学びました。(7月12日撮影)



その後の雌は各15~20粒の卵を産みました。もう少し様子をみます。(7月11日撮影)



平成30年7月13日(金)
カイコの一生は終りになりました。

その後の雌は3匹で3粒の卵を産み、弱ってきたので外に放しました。これでカイコの生涯は閉じられました。
孵化時からまとめると、
「孵化(ふか)」5/20~「営繭(えいけん)」6/20    31日間
「営繭(えいけん)」6/20~「収繭(しゅうけん)」6/28 8日間
「収繭(しゅうけん)」6/28~「羽化(うか)雌」7/9  11日間
「羽化(うか)」7/9~「産卵(さんらん)終」7/12     3日間
   
 合計 「孵化」5/20~「産卵終」7/12        53日間

 

平成30年7月19日(木)
「乾繭(かんけん)」になりました。

「上繭(じょうけん)」は29粒で26gになりました。全期間天気は大変良く、9日間干しました。冷凍してから乾燥させたせいか、臭いは全くありませんでした。
天日干し前の46%の重さになりましたので「くず繭」と一緒に屋内で防虫防湿しながら保管します。これで長期保管も可能です。(7月19日撮影)



平成30年7月31日(火)
卵を冷蔵保存しました。

産卵から3週間程経ちましたが孵化はせず、色は少し濃くなりました。これらは全て「休眠卵」なので冷蔵庫に保存します。卵は冷蔵庫の過乾燥で死んでしまいますので、ビニール袋の口を縛り缶容器に入れてテープで密閉しました。
卵は越冬すると孵化しますが、冷蔵庫(5℃)で2ヶ月程度保存した後、外部(20~25℃)に出すと疑似越冬した事になり、孵化日をコントロールする事ができます。今回は、桑の葉を調達しやすい来春迄保存します。(7月31日撮影)


   

試しに産卵2,3日目の50粒ほどの卵は育成調整せず、このまま玄関に放置して通常の越冬をします。春になったら自然孵化すると思いますが「いつ」になるか観察してみようと思います。
見逃さないよう気をつけようと思います。(7月31日撮影)



平成30年8月19日(日)
繭から糸をとりました。

先月から保管していた繭玉から糸をとりました。道具はカセットコンロ、使い捨てアルミ鍋、割り箸、古歯ブラシ、柄杓です。


   

糸巻き。



ひと月保管しておいた繭玉とクズ繭。


   

糸巻き。



沸騰したお湯に繭玉を入れてかき回していると糸が絡まってきました。



差し水をすると、繭玉内部の空気が冷やされ体積が小さくなるので、外部のお湯が引っ張られて中へ浸透しやすくなります。



落とし蓋をして、5分位煮ました。



内部にお湯が入り、色が少し透けてきたら、別の鍋に移します。
お湯の温度が40℃より下がると固まってしまうので熱い湯に入れ替えます。



繭玉が踊ってることを確認しながら、7粒の糸を一つにして巻きとります。



蛹が見えてきたらおしまいです。7粒×3=21粒の繭から糸をとりました。



中の蛹を取り出しました。



糸巻きから外しました。生糸は光沢があるのですが、ゴワゴワです。これは、カイコの作る糸はセシリンというたんぱく質に包まれていて、これが接着剤代わりになって硬い繭玉を形成させているのですが、そのセシリンが残っているからです。



廃液には沢山のセシリンが溶け出しています。このセシリンは医薬品や化粧品(スキンケア)の材料になるということで研究が進んでいます。そういえば、なぜか糸とり作業の後は手が「つるつる、すべすべ」でした。



生糸についているセシリンを取り除くことを「精練(せいれん)」といいます。「精練」にはいくつかの方法があって、セッケンで洗う、アルカリで処理する、セッケンとアルカリを両方使う、酵素で溶かす、圧力釜にかける、といろいろあるようです。今回はアルカリで処理する方法を選び、重曹で洗いだしてみようと思います。



クズ繭も煮て、裂いて、洗って、裂いて真綿にしました。



令和元年7月4日(木)
冷蔵庫の中で保存しておいた卵を外に出しました。

約1年間、冷蔵庫の隅で保存してある缶容器の中にはカイコの卵が入っています。(7月4日撮影)



現在の外気温(25℃)は高すぎると思うので、最初は氷を入れたクーラーボックスで慣らします。(7月4日撮影)



どれくらい孵化するか楽しみです。成功すれば、その成長記録を夏休みの自由研究の題材に使いたいと思います。



令和元年7月7日(日)
卵は氷温から外気温へ。

天気は雨模様で朝の気温は19℃です。冷凍庫の製氷も追い付かなくなってきたので密封してある卵を外に出しました。(7月7日撮影)



乾燥に弱いということなので、水を入れた容器と一緒にプラスチックの飼育ケースに移しました。(7月7日撮影)



令和元年7月10日(水)
卵の様子。

冷蔵庫から出して一週間経ちました。出した翌日から気温が下がり5日(金)から本日まで最高気温が25℃未満という日が続いてます。夏季に温度を徐々に上げていくには都合のよい天気です。
半分くらいは潰れて黒くなっているが、白い卵の中の黒いひも状のものは生きている毛蚕(けご)かな?(7月10日撮影)



令和元年7月14日(日)
今年は冷夏?

昨日の最高気温は27℃になりましたので、最高気温が25℃未満という日は5日(金)から12日(金)までの連続8日間になり7月では珍しい事だそうです。1993年以来の冷夏になるのではと世間が騒ぎ始めています。
カイコの卵には変化ありません。疑似越冬し、春が来たと勘違いし、孵化してくれる事を願っています。


令和元年7月21日(日)
卵が孵化しました。

カイコの二世が誕生しました。12頭だけです。



卵の殻は判りにくいですがこのような具合です。


   

もう糸を出します。



桑の葉を与えました。


    

もう一枚はビニール袋に入れて冷蔵庫に保管しました。



    

令和元年7月23日(火)
飼育日記「完」。

卵の孵化はその後ありませんでした。12頭を大切に育て、孵化から繭作りまでの様子を夏休みの自由研究の題材に使います。カイコの飼育日記はこれで終わりにし、息子の観察日記に引継ぎます。



令和元年8月31日(水)
追記。

寒い7月からの反動か、8月は例年並みの暑さに戻り、つらい夏を過ごしました。カイコは桑の葉をあまり食べず、一度も脱皮することなく全滅してしまいました。原因はよくわかりません。

代表 古高 利男

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